ダーク~本章~

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「あーあ」 ダークは残念そうな声を出した。 「雷斗、死んじゃったかぁ」 佐久からそう報告を受けたダークはそのまま、佐久のお腹を蹴り上げた。 「かはっ!!」 「お前もお前だよ。なに、絆されてるんだよ!!」 「申し訳ございません!!」 「巡くんを仕留めきれなかったから、お前はお仕置きね」 「ーーそんな」 ダークは人の心理を弄ぶのに秀でていた。相手に何をすれば、何よりも精神的に壊れるかをよく知っていた。 「お前の大好きなーーーくん、傷つけるね」 「それだけは!やめてください!」 「やめなーい。あぁ、安心して。今すぐどうするってことじゃないから」 しっかり下準備しないとね。 そうニンマリと笑うダークに、佐久は顔を俯いた。泣いている姿を見られたくなかったのだ。 ダーク様。 どうか、やめてください。 あの人は…、あなたが手を出していいような人じゃないんです。 ふと、綾瀬巡の顔が思い浮かんだ。 あいつなら… 助けてくれるのだろうか…。 「ふふふふふふふ、はははは!!!」 ただ、ダークの高い笑い声だけが響いていた。
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