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想定内の答えに巽は「そうっすよねww」と笑った。
「楽しみにしている」
「それは巡のかっこいい姿を見たいという解釈でよろしいっすかww」
「何言ってんだ!!!」
「さーせん!!!」
謝りながら逃げていった巽に隆明はため息を吐いた。
「…綾瀬の王子姿か。それは見てみたいな」
隆明のそんな呟きは誰もいない暗闇の廊下に吸い込まれていった。
「ふぅん。巡くん、文化祭を楽しむつもりなんだ」
ダークの呟きに体を震わせる佐久。
「文化祭、襲撃でもするつもりですか?」
「うーん。いや、まだ準備が整ってないからやらないよ」
安堵の息を漏らす佐久の首を絞めるダーク。
「くっ…」
「お前は呑気に告白大会で好きな人に秘密を告げたらいいよ。実は俺はダークの部下でした!って」
ニンマリと笑うダーク。
「お前が愛してやまない人の歪む顔が見られるかしら。ふふふふっ」
「……」
歯を食いしばり、佐久はただ耐え続けた。
「これから起こるであろう悲劇を知らないで楽しむが良い…」
ふふふふふふふふ。
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