それぞれの想いが交錯する文化祭

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時間は少し遡り、風紀委員会ではダーク襲撃の噂を潤から聞かされていた千は「そうか」と険しい顔をした。 「いつ襲撃してくるかは分からないが、心構えはしといた方がいいっす」 「そうだな。警備強化と防犯カメラ監視に人員を割こう」 しっかり対策してくれる千に潤は深く頭を下げた。 この人は信用できる。 本当なら、巡さんが狙われていることを伝えたい。けど、 『俺のことは誰にも言うなと、颯太さんと契約を交わしたんだ』 1年少し前、白崎学園に入学する日、巡さんはそう言った。 『ダークから白崎学園を守るためには味方から欺く、と言うことだろう。俺は高校生として潜入する。そして、生徒たちを護る』 力強い眼差しで見つめられ、潤は何も言えなかった。 だから、俺にできることは… 「…楽しい文化祭を護りましょう」 これだけだ。 確固たる意志を口から溢れた潤に、千は「そうだな」と潤の肩に手を置いた。 「詳しくは聞かんが、護ろう。この学園を。生徒たちを。父にお願いして、警備部の人を何人か配置してもらう。使えるものはなんでも使おう」
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