始まりの春

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春。  それは始まりの季節でもある。出会いと別れの季節。  淡い桃色の桜色が舞っている。その儚さがそれを表している。  そして、  「あ…」  トゥルク…。  「あ…」  トゥルク…。  すれ違う人同士のお互いの目が合い、じっと見つめる。  恋が始まる瞬間を俺たちは見た。  「はぁはぁ!恋の始まりを目撃しちゃったよw」  隣で妙に草を生やし、息を荒くする男の肩をどかして、男は言った。  「…いやいや、ここ、男子校だから!!!」  そんな男の叫びは深い森の奥に吸い込まれて、消えていった。
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