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すると、おどおどと何かを探す怪しげな男性が1人――
「ちょっと! もしかしてあんた?」
見るからに弱々し気な男性に、私は戦闘態勢で臨んだ。
「うわわっ。すみません。石当たってしまいましたか! お怪我ありませんでしたか?」
「――ったく。夜だから誰もいないとでも思ったの? まさか! 私目掛けて投げたとか?」
「そんなっ。すみません。誰もいないかと思って小石蹴ってました」
……嘘くさっ
小石蹴ってるなんて、マンガでいじけたシーンの比喩でしか見たことないわ。
どうやったらそんな取ってつけたような嘘を……
「本当なんです。あの、小石で遊んでました……あのっ。小さいときに『自分ルール』みたいなもの作って学校の帰り道とか遊んだことありませんか?」
「ん?何それ」
「ほら『これだっ』て決めた石を学校から家までの道をずっと蹴って無事に到着できれば、いいことがあるみたいな。やったことありませんか?」
――プッ
予想の遥か斜めをいく答えに思わず噴き出す。
「やっぱりおかしいですよね。本当にすみませんでした!」
「あるよ、私も」
「へ?」
「その自分ルールみたいなので遊んだこと」
「えっ、本当ですかぁ!やっぱり石ですか?」
――何の話だよ、これ。
無言で突っ込みを入れつつ、
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