お嫁さんにしてと七海は言った

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お嫁さんにしてと七海は言った

俺が七海に一目惚れしたんだ。 サークルに勧誘されてやって来た七海と何を話したかは覚えてないが、とにかく七海がにっこりしたのを見て、大好きになった。 七海にいつも話しかけて、たくさん接触した。 すると新入生の田中が、いつも話に入ってくる。 俺はすぐにピンと来た。 田中は七海を狙っている。 事実、島野が言っていた。 田中は本気で七海が好きなんだと。 俺たちのサークルは映画サークルだ。 でも、オリエンテーションの間は撮影はない。 飲み会があるだけだ。 飲んでいたら、七海が俺の隣に座った。 七海はいつも笑ってふざけているので、いつ酔っぱらったのか、さっぱりわからない。 島野は七海は「空中のアルコール分を摂取する、特殊能力がある」といいはっている。 そんな馬鹿な。 平常が酔っているかのようではある。 とにかく七海といると楽しい。 杯を重ねるがいつも通り明るい。 そして話していたら、何の話の流れか「私をお嫁さんにしてくれる?」 ドキッとしつつ、 「うん、いいよ、嫁にしてやる」 「じゃあ、原田さん家の親に挨拶しなきゃダメなんですよ。良いんですか?」 俺は多分笑っていた。 「よし、雑賀(さいか)の実家に挨拶に言ってやる」 「先輩、良い人ですね」 ん?良い人?何のこっちゃ。 酔っ払いの夜は更けて行く。
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