0人が本棚に入れています
本棚に追加
お嫁さんにしてと七海は言った
俺が七海に一目惚れしたんだ。
サークルに勧誘されてやって来た七海と何を話したかは覚えてないが、とにかく七海がにっこりしたのを見て、大好きになった。
七海にいつも話しかけて、たくさん接触した。
すると新入生の田中が、いつも話に入ってくる。
俺はすぐにピンと来た。
田中は七海を狙っている。
事実、島野が言っていた。
田中は本気で七海が好きなんだと。
俺たちのサークルは映画サークルだ。
でも、オリエンテーションの間は撮影はない。
飲み会があるだけだ。
飲んでいたら、七海が俺の隣に座った。
七海はいつも笑ってふざけているので、いつ酔っぱらったのか、さっぱりわからない。
島野は七海は「空中のアルコール分を摂取する、特殊能力がある」といいはっている。
そんな馬鹿な。
平常が酔っているかのようではある。
とにかく七海といると楽しい。
杯を重ねるがいつも通り明るい。
そして話していたら、何の話の流れか「私をお嫁さんにしてくれる?」
ドキッとしつつ、
「うん、いいよ、嫁にしてやる」
「じゃあ、原田さん家の親に挨拶しなきゃダメなんですよ。良いんですか?」
俺は多分笑っていた。
「よし、雑賀(さいか)の実家に挨拶に言ってやる」
「先輩、良い人ですね」
ん?良い人?何のこっちゃ。
酔っ払いの夜は更けて行く。
最初のコメントを投稿しよう!