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(こいつら、強い…)
小太郎は内心、焦っていた。
1人ならまだしも2人。
片方に的を絞ると必然的にもう片方に隙を突かれてしまう。
「どうしたどうした狐さんよ!」
大柄な男は見た目に似合わず非常に素早く、小太郎の行先を予測して攻撃を仕掛けてくる。
「動揺しているのが見て取れる。大口を叩いていながらこの程度とは、やはり所詮は薄汚い獣だ」
細身の男は気づき始めた、小太郎の動揺に。
「あの人間クンがそんなに気になるのかい?友達だったのか知らないけど、お前のその姿を見ても友達だ、なんて言う奴なんていないさ」
小太郎の動きが一瞬鈍った。
細身の男はその一瞬を見逃さない。
「そこだ」
細身の男が投げた札が小太郎の足を貫いた。
札から光る糸が具現し、小太郎の足を締め上げていく。
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