序章 運命の夜

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ならなかった。 痛みを感じないことに違和感を感じた小太郎はそっと目を開ける。 彼は目撃した。光線から妖怪(じぶん)を庇う少年、『月野大亜』を。 「ぐううううううッ…がっ…」 光線は、大亜の胸の辺り直撃。 彼は飛び散る血と共に地面にドサリ、と倒れる。 「何でだよ…何で!!」 足の拘束を解いた小太郎は、倒れた大亜に駆け寄る。 「やられ…そう…なのを…守…れ…なくて…何…が…親友…だよ…ぐはぁっ!はぁ…はぁ…」 大きく血を吐き出す大亜。 しかし、あろうことか彼は謝罪をする。 「すぐ…答え、出なかったんだ…ゴメン…な…小太郎…」 「クソッ…もう喋るなダイヤ!」 妖狐の白い尻尾は、既に血で真っ赤に染まっていた。
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