序章 運命の夜

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「お…おい!あいつ、化け物を守りやがった!」 「まさか、こんなことになるとは…」 妖怪狩りの男たちも、これには流石に驚いていた。 小太郎は鋭い眼差しで男たちを睨む。 「許さねえ…許さねえ!貴様たちは…必ず…!」 血に染まった九つの尻尾が肥大化していく… 「おい、引くぞ…あの妖力は流石に手に負えん」 「お…おう…」 妖怪狩りの男たちは妖狐に背を向ける。 「逃がすと…思うのか…?」 小太郎は思った。自分は今からこいつらを殺すだろうと。 今までも妖怪狩りに遭うことはあったが、ある程度痛めつけて去ることはあれど、相手を殺したことはなかった。 しかし、今回ばかりは… 「ダメ…だ…小太郎…」 足元から聞こえる弱々しい声で我に返る。 「何言ってるんだよダイヤ!あいつらはお前を…」 「僕が…勝手に突っ込んだだけさ」 「…どこまでお人好しなんだよお前は」 小太郎が顔を上げたときには、もう男2人の姿はなかった。
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