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「お…おい!あいつ、化け物を守りやがった!」
「まさか、こんなことになるとは…」
妖怪狩りの男たちも、これには流石に驚いていた。
小太郎は鋭い眼差しで男たちを睨む。
「許さねえ…許さねえ!貴様たちは…必ず…!」
血に染まった九つの尻尾が肥大化していく…
「おい、引くぞ…あの妖力は流石に手に負えん」
「お…おう…」
妖怪狩りの男たちは妖狐に背を向ける。
「逃がすと…思うのか…?」
小太郎は思った。自分は今からこいつらを殺すだろうと。
今までも妖怪狩りに遭うことはあったが、ある程度痛めつけて去ることはあれど、相手を殺したことはなかった。
しかし、今回ばかりは…
「ダメ…だ…小太郎…」
足元から聞こえる弱々しい声で我に返る。
「何言ってるんだよダイヤ!あいつらはお前を…」
「僕が…勝手に突っ込んだだけさ」
「…どこまでお人好しなんだよお前は」
小太郎が顔を上げたときには、もう男2人の姿はなかった。
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