序章 運命の夜

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数時間前。 「ふわあああ〜、やっと講義終わったな」 「小太郎、お前は実質受けてないようなもんだろ…」 「別にいいだろ、聞いても聞かなくても俺はわかるし」 「いいよなぁ、ノートも取らないくせにいつもテストの点数はいいんだから…」 「(ここ)が違うんだよ、(ここ)が」 小太郎はニヤリと笑ったが、これに大亜はため息をつく。 陽道小太郎と月野大亜。 彼らは探せばいそうなただの高校生である。 幼少の時に出会った彼らは友情を育み、今となっては切っても切れない仲となっている。 「ダイヤ、帰らないのか?」 一瞬で帰り支度を済ませた小太郎は大亜に声をかける。 小太郎は大亜のことを『ダイヤ』という愛称で呼んでおり、こうやって呼ぶのも彼だけである。 まあ、大亜もこの愛称は割と気に入っているのだが。
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