選んだ理由

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「ママ、あのね。」 またはじまった、 すぐに言葉が続かなくて、いつもなら遮ってわたしがしゃべってしまうけど、 今日は次の言葉が出るまで待ってみよう 「僕生まれたんだよ。」 「ん? ああ、そうだね。はるとはママの子供に生まれたんだよね。」 「僕、選んだんだよ」 「ん?選んだって?」 「ママの子供に、選んだの」 「え?はるとがママを選んだの?」 「そう、僕が、ママを選んで生まれたの」 なにそれ、どういうこと? 夢でも見たのかな。 生まれる前の記憶って、3才ごろまで残ってるって聞いたことがあるけど… なんか、ジーンとしてきた。 「そうなの。 はるとがママを選んでくれたんだね。 なんでママを選んでくれたの?」 「だって、楽しそうだったから」 ぷぷっ 楽しそうだったから、か 「はると、ギューしていい?」 「ママ、ギューしてっ!」 はるとはわたしに飛びついてきた。 わたしは、なるべく顔を離して、はるとを抱きしめた。 もう少し、はるとと楽しい時間を過ごすのもいいかもしれないな いつか反抗期がきて、わたしとしゃべってくれない日が来るんだろうから。
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