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完
それから、予言した半年後。
「光春君、占い上手くなったね。もう、私いなくても良くなっちゃったな」
未来は、寂しそうにそう言った。
あの生放送の発言は生放送ゆえ、途中で切れてしまった。これは事実なのだが、その放送中にいたスタッフが、俺を気遣い、名医を紹介してくれたのだ。
幸い、俺の親の稼ぎは良かったし、俺も占いで結構稼いでたから、未来の手術費用は何とかなった。
名医の手術により、未来は少しずつ、元気を取り戻しており、今はリハビリ中だ。
「大丈夫。未来が元気になったら、また占い一緒にしよう。俺は勉強はしたが、お前みたいにやわらかく言えないし、上手く共感も出来ないんだから」
「ふふ、そうなの? ありがとう!」
今まで、人の未来を見ても、何も出来ないと思っていた。
けれど、未来から教えて貰った。
人は、努力と思い次第で、幾らでも変われるって。
「お父さんとお母さんに、お礼言っといてね。あと、光春くんのお母さん、最近体型が気になるって話してたから……お礼に私のお兄さん、インストラクターやってるから教えてあげられるようにしてあげる」
インストラクターと言う言葉を聞いて。何かが引っかかった。
インストラクター? インストラクターと言えば……。
そう言えばと、母親の今年の未来を思い返す。そして、その後俺はこう答えた。
「カップ麺続きはごめんなんだ。お断りします」
とね。
(完)
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