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その日の授業終わり、未来が俺のもとへとやって来て、耳元で言った。
「光春くん、未来が見えるんでしょ」
思いもよらない言葉に、ドクンと胸が動き出す。どうしてと尋ねると、未来はニッコリ笑い、もう一度耳元で言った。
「私はね、過去が見えるんだよ。君の、悲しい過去もね」
ちらりと俺達の様子を見ていたクラスメイトもいたが、その生徒も帰り支度をし、クラスの中は俺と彼女二人きりになる。すると、彼女は周りがいなくなったのを確認して俺から顔を離す。
「私の未来はどうなってるの?」
「そんなこと、言った所で変わんないだろ?」
「そう? 君は、誰かに直接言ったことがあるの?」
俺は何も言わなかった。おかしなヤツだと思われそうで、誰にも言ったことが無かったからだ。
「無いよね。分かるよ。そりゃあ急に言ったら変だもん。……けれどね、それを言ってもあまり怪しまれない方法があるの」
未来は、俺の手を掴み、続けて言った。
「ねぇ、お願い! 過去の見える私と、未来の見える君で、一緒に占いしよう!!」
……なるほど、それが俺を選んだ理由か。
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