0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
5
未来が倒れた。
俺は病院に駆けつけてみると、いつもと変わらず笑顔の未来がいる。
「ねぇ、私の未来、どうなってる?」
「それは……」
「困らせること聞いてごめんね。分かってるんだ。体で、何となく」
「そうか……」
今まで、これだけ多くの人の未来を変えてきたのに、目の前で苦しんでいる彼女のことを救うことは、出来ないのだ。悔しさと虚しさがわいてくる。
「ごめんね。私が過去のこと言えなくなったら、光春くん大変でしょ?」
「そんなのはどうでも良いんだよ」
「ねぇ、良ければ使って?」
「は?」
「私があと何年で死ぬか。占いで言ってみて。きっと、当たったらみんなびっくりするわ」
「馬鹿言うな!!」
俺は病室を飛び出した。今までのモノクロだった人生を、彼女が救ってくれたのに。モノクロの彼女のこれからを、どうにか救ってあげられないのか。国語の評価2の頭で、必死に考えた。
最初のコメントを投稿しよう!