病んでると、タバコは駄目なわけ?

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「廉、なんか食べるもんないの? 腹減った」 「何でいつも家で食ってこないんだよ」 廉次が面倒そうにテーブルの向かいに腰を下ろす。 「気持ちわりーじゃん。あんな食卓、吐き気がする」 「分からんでもないけど……」 「俺も黒川家に婿養子として入ろうかな」 「まさか姉貴が嫁?」 「じょーだん」 別に相手なんて誰だって構わない。あそこじゃないどこかへ行けるなら。 あの家で過ごす一分間は、俺の寿命を一ヶ月分削っていく。それほどの忌々しい空間だったし、だけど約束だから帰らないわけにはいかなかった。 「まだいんのかよ? 例の人」 「霊?」 「そっちじゃねーわ。おじさんの」 「愛人ね」 「露骨だな」 苦笑しながら、廉が部屋のテレビをつける。 「結婚すんだとさ」 「はぁ? マジかよ……」 「大人ってさ、無責任でいいよなあ」 無責任で、偉そうで。傲慢で、欲深くて。 自分が正しいと本気で思ってる。 最高にイカれてる。 「だからかな」 「なに?」 画面に映し出された今日の星座占い。 蟹座。ラッキーアイテム…… 「最近俺さ、食べると吐いちゃうんだよ」 卵焼き。笑えないっての。
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