2

1/9
81人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ

2

「ハッ、そんな俗物的な言葉で我を表そうとは、流石低俗な人間だな――」  肯定したも同然の言葉に、紬の身体はぞくぞくと震える。  急に力が抜けたせいで、彼女の腰がかくんと落ちた。 「ああああ!!!?」  男は叫び声を上げる。先端が中に埋まったようだ。 「……っは……ふぅ……っ、結構、痛い、なっ……」  苦痛に顔を歪めた紬の太腿は、フルフルと震えている。 「ハァッ、ハァッ、なっ、なんて事を…………ん? お前、っう、痛いと、言ったか?」 「アンタと同じで、初めて、だからねっ……」 「な、なんだと……っ?! では尚更だ! 人間はそういう物を大事にするのだろう?! 今すぐ止めるんだ!!」  人外の発した何とも真面目な言葉にクスリと笑い、紬は更に腰を落として行く。  男は必死に抵抗するも、初めての快感も手伝ってか全く力が入っていない。 「別に……機会が無かっただけで、大事に取って、おいた訳じゃないし……」 「うっ……く……はぁ……っ」  男が抵抗出来ない原因は、快感だけでは無さそうだ。  口だけは達者だが、一体どれだけ食べていなかったのか、身体がかなり衰弱しているようである。  頬は上気しているのに、相変わらず額は青いままだ。  益々止める訳にはいかないと紬は思った。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!