第一章

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 そうして,あれから三日経ったが私と小日向くんが話をすることは一度も無かった。 勉強をすると約束はしたけれど、何時やるのかが分からずに声をかけられるのを待っていたが、一向に話かけられる様子はない。 あの約束は、もしかしたら無かったのかもしれないと思った。 あの眼差しは、先生の前だから見せたものだったのだろうか。 私は、机に頬杖をついて、ちらりと小日向くんに目をやる。 相変わらず彼の周りには友達がいて、楽しそうに微笑んでいた。 私が、見ていると気づいたのか彼は、こちらに笑顔を向ける。 突然の出来事に、どうしたらいいのか分からず目を逸らす。 こういう時、同じように笑顔で返すのだろう。 しかし、私には到底出来るようなことではなくて、ただ視線を逸らすことができなかった。 たかが目が合っただけなのに、私は一体どうしてしまったのだろうか。 私はモヤモヤする気持ちを抱えながら、次の授業の準備をする為にロッカーのある廊下へと歩いていった。
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