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ジウ、ユナと再会
「今日より至密見習い女官のソアは
従四品の淑媛になる。国の繁栄に
貢献するよう、より一層努力せよ」
本来であれば中殿が行う儀式だが
今回は殿下自ら式に参加した。
その様子を遠くから見ていた者がいた。
「あれが新しく側室になる女か。
一番下の位で殿下が参加するとは」
「両親は農民のようです」
「なるほど、後ろ楯もないということか。
何も恐れる事はない。後宮の恐ろしさを
思う存分教えてやろう」
不適な笑みを浮かべ、自分の部屋と
帰って行った。ソアとの出会いが
運命を変える事を知る由もなかった。
「ジウ、ユナ、久しぶり!」
「ソア元気だった?いや、今は淑媛媽媽
と呼ばないとね」
ジウとユナは研修中の頃からの友人で
班も一緒だった。ソアのチョゴリの
刺繍をしたのも2人だった。
「誰もいない時は名前で呼んでも大丈夫よ。
2人がこの蝶の刺繍をしてくれたと
聞いたわ。本当に腕を上げたわね」
「ソアには蝶が似合うと思って
この柄にしたのよ。針房にいると
自然に器用になってたわ」
チマは臼桃色で、チョゴリは白。
チョゴリには銀色の糸で蝶の柄が
刺繍されていた。殿下も似合っていると
誉めていた。
「殿下も誉めていたわ。だから今日は
2人に渡したい物があるの」
ソアは袋からある物を取り出し2人の
手の平に紙を置いた。
「ジウ、ユナは従六品の尚正とし淑媛に
仕えるよう命じる。もしかして
ソアに仕えられるように殿下が
取り計らって下さったの!」
「信頼できる女官が側にいた方がいい
からって、2人を内人にする許可を
下さったの」
2人に報告をした後、ソアは自分の
部屋に戻り内人が着るチマチョゴリを
用意した。
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