ソアの優しさ

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ソアの優しさ

「まず、お前達には洗濯・掃除を してもらう。3人ずつに振り分けて 行う。完璧に出来た班には 一番良い部屋を与える」 「はい、監察尚宮様」 ソアの他に、ジウとユナが加わり 早速取り掛かることにした。 「ソアは作業がとても早いし 床も綺麗になってる。家でも 掃除してたの?」 「うん。両親はずっと畑で作業 してたから、私が家の事してたの」 2人はソアの手際のよさに驚いた ようで、興味を示していた。 見習い女官はまだ女官になる為の 技術や作法は身に付いていない。 しかし、ソアは母から掃除や洗濯の 仕方など基本的な家事は 習っていた為、素早く丁寧に 行うことができた。 3人で力を合わせ、掃除を終わらせ 洗濯物に手をつけようとした時 1人の見習い女官が山のように 積まれた洗濯物を持ってここに 近づいてきた。 「遅くなってごめんなさい。私が 寝坊して式に遅刻したから 4人でこの洗濯物を片付ける ように言われたの」 遅刻した少女の名前はナユン。 監察尚宮の命を受けソア達の班に 来たのだという。 「こんなに重たい物を持って ここまで来るのは大変だった でしょう。尚宮様にお叱りは 受けなかった?」 「口頭でお叱りを受けるだけで 済んだわ。でも、あなた達に 迷惑を掛けてしまって本当に ごめんなさい」 「誰でも失敗はするわ。同じ班 なんだから、一緒に洗濯しましょう」 ソアは落ち込んでいるナユンを励まし 4人で洗濯をしていった。
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