貴人の恐ろしさ

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貴人の恐ろしさ

式があった翌日からソアは他の側室の事を 至密尚宮に聞いていた。 「貴人様、昭儀様のお二方が側室で おられます。昭儀様はお優しい方で 他の尚宮からも信頼されていますが 貴人様は・・」 急に無口になったが、ソアは察しがついた。 貴人には関わらない方が良いという 事だろう。 「貴人様は政略結婚だから子がいない。 寵愛を受けている者を容赦なく 陥れると殿下がおっしゃっていた。 催しも断りなさいと」 「はい、媽媽。出来るだけ関わりを 持たない方が良いと思います」 貴人は寵愛を受ける事はなく殿下との 関係も悪かった。その為寵愛を少しでも 受ければ、その側室は毒殺か行方不明に なっていた。 「昭儀様とも関わらない方が良いだろう。 私の味方だと思われれば、何をされるか 分からない」 「はい。ですから、提調尚宮様にご相談 された方がいいと思います。信頼できる 尚宮を仕えさせた方が良いかと」 ジウとユナが内人として仕える事は 決定していたが、尚宮がまだ決まって いなかった。至密尚宮が帰った後 2人に提調尚宮の所へ行ってもらい ソアが書いた手紙を届けてもらった。
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