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新しい尚宮
「提調尚宮様、お久しぶりでございます」
「媽媽、私に様はつけないで下さい。
女官に敬語はいりません。
ところで、今日は尚宮の件で
ご相談があると聞きましたが」
ソアは至密尚宮から、信頼できる尚宮を
仕えさせた方がいいと助言された事を
伝えた。
「確かに至密尚宮の言う通り、内人
だけでは不十分でしょう。
最近尚宮になったナユンは
どうでしょうか。昇格したばかり
ですが、気配りが出来る者です。
成績も歴代1位でした」
「分かった、尚宮はナユンにする。
準備が整い次第、来るように伝えよ」
話し合いを終え、ソアは後宮に戻り
ユナ内人とジウ内人を呼んだ。
早速、仕える尚宮の話をした。
「私に仕える尚宮はナユンに決まったわ。
見習い女官の時に私達の評価をした
内人よ」
「あの人が!まさか尚宮になってるとは。
こんなに早く昇格するなんて」
「試験も歴代一位だったそうよ。
提調尚宮様に仕えている内人は違うわね」
3人がナユンの話をしていた時、ちょうど
本人の声がした。
「淑媛媽媽に挨拶いたします。今日から
仕える事になりました、ユナンです。
よろしくお願いします」
「久しぶりですね、ここへどうぞ」
「失礼します。まだ尚宮に昇格した
ばかりですが、媽媽に貢献できるよう
精進します」
緊張しているのか、ナユンの表情が硬い。
ソアは机にある物を置いて中にある袋を
開けた。
「これは、市場で買ってきたお菓子で
民の中で人気があるそうよ」
「尚宮様だけずるい!」
「そう言うと思って、あなた達の分も
買ってきたわよ」
お菓子が好きな事は聞いていたので
緊張を解す為に、事前に買っておいたのだ。
「これから、想像出来ない事が
起きるかもしれない。でも私達が
団結したら乗り越えられるはず。
みんなで頑張りましょう、って
食べながら話す事ではないわね」
ソアが笑うと、ナユンも連れて笑った。
ナユンの緊張が解れて良かったと思った
三人であった。
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