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提調尚宮の言葉
新しい部屋に案内された3人は
自分の荷物を置き、提調尚宮の待つ
場所へ向かった。
「よく来たな。さあ、ここに座りなさい」
「はい、提調尚宮様」
「そなた達を呼んだのは今日の試験
の行いを褒めるためだ。何も
そんなに硬くなることはない」
女官の長を目の前にして硬くならない
女官はいない。特にソア達のような
見習い女官は緊張するものだ。
もしここで何か間違った行いをすれば
リアのように棒で打たれるからだ。
「先程、そなた達が担当した部屋を
見たが細かい所まで綺麗にされていて
洗濯物の汚れもなかった。洗踏房の
女官より上手かもしれないな」
「はい、ジウ、ユナによるとソアが
掃除・洗濯の仕方を教えたようです」
提調尚宮に仕えているナユンが
そう伝えた。
「なるほど、そなたは普段から
家事を手伝っていたのだろう」
「はい、提調尚宮様。両親は働き
に出ていた為、私が手伝って
おりました」
ソアは両親から教わった事を
提調尚宮に話した。
「そなたの両親はしっかりと作法を
教えていたのだな。
ナユンが遅れてきた時も、責めな
かったと聞いた。文句一つ言わず
労ることができる見習い女官が
いるとは思わなかった。
そなた達に褒美をやろう」
提調尚宮が持ってきたのは綺麗な
宝石がついた髪飾りだった。
「これは認められた者しか付けられ
ない飾りだ。大事に使いなさい」
「有り難く頂戴いたします」
3人は貰った髪飾りを付け
提調尚宮に感謝し、これから
更に精進すると誓った。
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