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殿下の贈り物
「で、殿下。何か気に障ることを
してしまいましたか?」
熙政堂に残された後
殿下が何も話さない為、ソアから
切り出したのだ。
「いや、そのような事はない。
ただ、そなたと話がしたかったのだ」
ソアを隣に座らせ、話始めた。
「そなたの話は提調尚宮から聞いていた。
試験は全て一位で、思いやりのある
見習い女官だと」
「両親から教わったのです。
どのような人にでも思いやりを
忘れないようにと」
「なるほど、 素晴らしい教えだ。
だから、そなたは・・いや
至密の見習い女官になれたのだな。
今日はそなたが初めて熙政堂に
来た日だ。そなたに渡したい物がある」
殿下は近くにあった引き出しから
ある物を取り出した。
「受け取ってほしい。これをつけて
私の所へ来てくれないか」
「殿下、このような高価な物は
受け取れません」
殿下は言葉を聞き入れる事はなく
耳飾りを耳に付ける。
ソアの頬が朱色に染まっていく。
「とても似合っている。そなたの
頬と同じ朱色の耳飾りだ」
「で、殿下。私、そろそろ戻らないと」
「待ってくれ。もう少しだけ私の
側にいてくれないか」
頬だけでなく耳まで朱色になっていた。
殿下はソアを引き寄せた後、深い眠りに
ついてしまった。
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