雨粒

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雨、というのはなにかを思い出させてくれる、僕にとってなぜだか重要なもので、でもあまり僕は雨がすきじゃなかった。 病室の窓からの景色が歪んで見えたからだ。 なにかを思い出そうとしても、思い出せない。 雨粒ひとつが、ぽつんと窓枠に当たって弾けた。 僕の目から溢れた物も、ぽつんと弾けた。
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