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「よし、ピアノとギターだけで合わせてくれ」
真知子は眉間に皺を寄せながらコーヒーを飲んだ。
「もう一度、美咲、真正面から録画してくれ」
コーヒーを飲むのをやめ、机を人差し指でトントンと叩きながら聴く真知子。
演奏が終わると、
「ピアノの音が強すぎる。音が大きいという意味では無いぞ。自分の存在を主張しずぎだ。他の楽器と合わすのは初めてか?」
「はい」
「単独で弾いているときは心地よい音だったが、今のはギターの音をかき消そうとしているようで不快感がある。もっとバランスを考えろ」
カチン。お嬢は音コン入賞のプライドが傷付いた。
「ふ、不快ですか?せ、先生に私のピアノの何がわかるんですか?音楽に関しては私のほうが優秀です。先生は素人じゃないですか…」
「ちょ、ちょっと、お嬢」
慌てて美咲が制した。
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