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「私、ちょっと外に行ってきます…」
亮とみこは美咲に目配せをした。美咲は頷いた。
「あたしも行くね、良いよね?」
「…はい」
お嬢と美咲は出て行った。
「先生、厳しいことも言うんだね」
「びっくりした。顧問らしいこともするんだなあ。ちゃんと俺たちのこと考えて、何かを伝えようとしてくれてる感じがした」
「私は大丈夫なんだろうか」
目の前でお嬢と先生が言い合うのを見てみこは動揺していた。
「美咲が居るからわざと下手な歌い方してるというわけじゃないの?」
「違うんだ…下手なんだ」
「じゃあ寝ながら聴いて完コピしたほうが楽しめるんじゃないか?」
「いや…亮、このまま続ける。完コピしたら私は今までと変わらない。それは嫌だ。もし迷惑じゃなかったら歌の練習に付き合ってくれないか?」
「いいよ!でもひとつだけ、恥ずかしがらずに大きい声出してくれる?」
「わかった、頑張る」
そして恐る恐る亮の袖を引っ張り
「ちょっと落ち着きたい。この前聴かせてくれたANJIを弾いてくれないか」
2人だけの部室に亮の弾くANJIが流れた。
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