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第32話 真知子の考え
「そこそこ出来てれば良いという話だったのに、あんな風に言われるなんて。意味が分かりません。ショックです」
グラウンドに降りる階段に座って泣いているお嬢を美咲はなだめた。
横を通る運動部員の怪訝な顔は気にしない。
「びっくりしたよ。なんであんなに厳しいこと言うのかなぁ」
「私は褒められて称えられて伸びる子なのに。あの先生嫌いです」
「友達がキーボードやってたみたいだから、ハードルが高いのかもね。あ、ちょっと待ってね」
美咲は階段を上り自販機でお茶を2本買って戻って来た。
「こんな時は緑茶!落ち着くよ」
「美咲さぁん、こんな時は紅茶ですよぉ。あ~ぁ、悔しいなぁ」
「ほら、野球部が練習してるよ!しばらく見物しよう!」
美咲はお嬢を気分転換させようと思った。
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