第37話 果たし状

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 本当に知らないなら〔なんで?〕とは聞き返さずに、すぐに〔知らない〕と答えるはずだ。  しかし知らないと言われたらこれ以上話を続けられない。千歳のことを直接聞くなんて絶対無理。どうしよう。やっぱりあたしは駆け引きが下手だ。  西中(にしちゅう)出身の女子に聞いても良いけど、すぐに話が広まりそう。  探りを入れてることを亮に知られたらマズい。女子の噂話は怖い。  そうだ、亮の友達の坊主頭も西中出身のはず、明日聞いてみよう。  腕を(ねじ)ったら多分口止めも出来るはずだ。亮の居るところでは聞きにくいからどこかに呼び出そう。  あたしはメモ用紙に 「話がある 放課後、校舎裏に来い」 と書いた。  何かの漫画で読んだことがある。放課後誰かを呼び出す時は下駄箱にこれを入れるんだよね。  翌朝、あたしは少し早めに学校に行った。  坊主頭の下駄箱は…確かここ、ふーん岡本って言うんだ。  あたしはポイと岡本の下駄箱にメモを入れた。
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