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「なるほどね~。それで…名前なんだったっけ?坊主頭の男子を呼び出そうとしたのね」
「そうなの。でも失敗したなあ」
「そんな回りくどいことせずに香風さんに直接聞いたほうが早いよ~」
「でも、あの子面倒くさい。個人情報だの黙秘権だの…」
「3組ね、行こう!」
「え?」
あたしは宮子と3組に行った。
「美咲は廊下に居てね」
そう言うと宮子は扉を開けた。
「桜谷香風さん居ますか~。お伝えしたいことがありますので至急廊下まで~、繰り返しま~す、桜…」
「繰り返さなくてもここに居るわよ。あんた誰?何の用?」
「廊下まで~」
宮子は香風を連れて廊下に出てきた。
「げ、昨日の大柄女。なによ、また腕を掴むつもり?暴力反対」
むかつく、腕を掴んでやる。
「まあまあ2人とも落ち着いて~。教えて欲しいことがあるの」
「何よ、千歳のことなら黙秘権よ」
「ちょっとだけで良いんだけどな~、アニカちゃん」
アニカと言われた香風の顔はみるみる赤くなり、口をパクパクさせているが言葉にならない。
「やっぱり~、そっくりだからきっとそうだと思ったんだ~」
「ちょ、ちょっとあんた、どうしてそれを」
「黙秘権だよ~」
「うぐっ」
香風を黙らせた。宮子って凄い。
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