第38話 宮子は香風より一枚上手

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「なるほどね~。それで…名前なんだったっけ?坊主頭の男子を呼び出そうとしたのね」 「そうなの。でも失敗したなあ」 「そんな回りくどいことせずに香風(このか)さんに直接聞いたほうが早いよ~」 「でも、あの子面倒くさい。個人情報だの黙秘権だの…」 「3組ね、行こう!」 「え?」  あたしは宮子と3組に行った。 「美咲は廊下に居てね」  そう言うと宮子は扉を開けた。 「桜谷香風(さくらだにこのか)さん居ますか~。お伝えしたいことがありますので至急廊下まで~、繰り返しま~す、桜…」 「繰り返さなくてもここに居るわよ。あんた誰?何の用?」 「廊下まで~」  宮子は香風を連れて廊下に出てきた。 「げ、昨日の大柄女。なによ、また腕を掴むつもり?暴力(ぼ~りょく)反対(は~んた~い)」  むかつく、腕を掴んでやる。 「まあまあ2人とも落ち着いて~。教えて欲しいことがあるの」 「何よ、千歳のことなら黙秘権よ」 「ちょっとだけで良いんだけどな~、アニカちゃん」  アニカと言われた香風(このか)の顔はみるみる赤くなり、口をパクパクさせているが言葉にならない。 「やっぱり~、そっくりだからきっとそうだと思ったんだ~」 「ちょ、ちょっとあんた、どうしてそれを」 「黙秘権だよ~」 「うぐっ」  香風(このか)を黙らせた。宮子って凄い。
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