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「どういうことなの?アニカってなに??」
「香風さんね…」
「わー、ダメ、それ以上は黙っ、痛い痛いっ」
あたしは香風の腕を軽く掴んだ。大げさに痛がる香風。
「地下アイドル・アニカちゃんなの」
地下アイドル?
「地下アイドルって何?芸能人ってこと?学校にバレたら大変じゃないの?」
「芸能人ってことでも無いのかなあ、でも校則に地下アイドル禁止って書いてないから焦らなくても大丈夫だよ~」
宮子は胸ポケットから出した生徒手帳をパラパラとめくりながら言った。
「あんたね、校則に地下アイドル禁止とかいちいち書いてる学校なんて無いでしょっ」
「あ、でもアルバイトは禁止でやむを得ない場合は届け出ることって書いてある」
うむうむと頷きながら生徒手帳を閉じる。
「バイトじゃないわよっ」
「写真やグッズ販売で収入得てるよね?」
「高値で売れてるわよ」
写真が高値で売れたら半分よこせって言ってたのはそういう事だったのか。
「事務所に正規雇用されてるのかな?」
「非正規雇用…」
「バイトだね~!学校に届け出てる?」
香風はしおらしくなった。
「届けてない」
「わかった~、美咲、このことは3人の秘密にしとこうね!」
「う、うん、いいよ」
「香風さん、このように私たちは秘密を守れる信用出来る人たちなの。だから千歳さんのことを教えてくれても大丈夫だよ~!」
「な、なるほど?ん?なんかわたし上手いこと言いくるめられてない?」
理屈がおかしいような気がしたが、香風は納得した。
「じゃあもう休み時間終わるから、放課後本館の校舎裏に来い~」
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