第39話 千歳

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「千歳はどうしてるの?」 「よその高校に行ってるけど相変わらずバスケはやってない。と言うか出来ないみたい。でも亮への気持ちは継続中よ。少し病んでるけど…。それでわたしが頼まれて亮の観察をしてたってわけ」 「病んでる?頼まれたってことはあんた代理ストーカーなの?!」 「なんとでも言ってよ。確かに千歳に頼まれたって言うのも有るけど…わたしとしては、あの居眠り少女も同じようにならないか気になるのよ。亮は今度はきっとこう言うと思うわ。ギターが彼女だって。お節介だとは思うけど、同じ不幸は見たくないわ」  まどろみさんを応援している美咲としては、それは避けたい話だ。  そんな心配をしている香風って良いヤツなのかも。 「だいたいの話はわかった、教えてくれてありがとね」  美咲はお礼を言った。 「香風さんは部活決めたの?一緒に漫研入らない?」 「ちゃんと活動している部はムリ。日曜は地下ライブ、平日と土曜日は練習多いし…でもどこかに入部しないといけないから困ってんのよ」 「あっ」  宮子はポンと手を打った。 「じゃあ美咲の同好会に入ったらどうかな~?」 「なんで?嫌よ、こんな暴力女の居るところ、それにわたし亮と気まずいし…」 「何ですって、あたしだってアンタみたいな…」 「まあまあ2人とも、香風さんは同好会に入ったら亮やまどろみさんの観察も出来るし、アイドル活動の練習にも行きやすいし一石二鳥だよ。美咲も香風さんに覗かれているかも知れないと気にしてるより、中に取り込んどいたほうが動きがわかって良いと思うな~」 『そ、それもそうね』
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