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「それに…」
宮子は胸ポケットから生徒手帳を取り出しパラパラめくった。
「部員が5人になって、かつ、活動が認められれば翌年度から部活に昇格できるんだって」
うむうむと頷きながら生徒手帳を閉じる。
「部活に昇格したら、部費が増えてウハウハだよ、これで美咲は一石三鳥だね~」
それはそうなんだけど、宮子ってこんな策士だったっけ?
「はい握手~」
な、なにこの女、さすが大柄女の友達ね、昨日の「ピース」と言い、この「あ~くしゅ~」と言い、なんかの呪文に違いないわ、じゃなきゃうっかりこの女と握手なんてしないっ。
「じゃあ今度、同好会見学させてもらうわ、連休中にライブが有るから練習が忙しいんだけど、必ず見に行く。その時、亮と直接対面ね」
香風は帰って行った。
「宮子、ありがと!あたし同好会行ってくるね」
色々聞きたいことは有るけど、それは帰り道で聞くとして今は部室に行こう。
亮って確かに何を考えてるのかよく分からない時がある。あたしも、亮をよく観察してみなきゃいけないかも知れない。まどろみさんの為にも。
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