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第42話 この先どうする?
目の前の目標だった「同好会の承認」が達成された。
それは嬉しいことだけど、でも、急に目標が無くなって抜け殻のように気の抜けた状態になった。
これから先、この同好会はどう活動するのかという不安感が訪れた。なにも決まっていないから。
放課後に皆が集まるこの部室でそれぞれがバラバラなことをしていくのだろうか…。この何日かの一体感は心地よかったんだけど…。
真知子先生が職員室に戻ったあと、部室には静寂が訪れた。
「お茶、入れるね」
独り言のように呟き、あたしは電気ポットでお湯を沸かす。
みんなの気持ちを確かめたいけど、確かめるのが怖い。
だってバラバラで良いなんて言われたら、あたしは…
ぶくぶくとお湯が沸く音が部室に響き、遠くからは運動部の掛け声や吹奏楽の音が聞こえてくる。
入学してから今日までの忙しい日々が終わり、そこに訪れた祭りのあとのような静けさは夕方の部室に物悲しい雰囲気を作った。
あたしは泣きそうになった。
入学してからこの同好会でみんなと一緒に居た時間は、ほんのわずかなものだけど…だけどあたしのこれからの人生に少なからずの影響を与えてくれたと思う。
亮が口を開いた。
「これからどうする?」
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