第43話 香風と真知子

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 急に頭上で低く押し殺したような女の声がした。  しまった、背後につかれた。しゃがんでいるわたしの真上に頭がるので誰だかわからない。大柄女は先に帰ったし、それにこの女は制服では無い。  しゃがんだまま横に逃げようとしたが、すっと脚が前に出てきて退路を断たれた。     短めのプリーツスカートから伸びるその脚は、見事な脚線美を描き思わず見とれてしまった。  誰?もう一度見上げると、その女も扉の隙間から中を覗いている。  え?この女、教室の中を覗きながらわたしの動きを察知して左右の脚を出してるの?ただ者じゃないわ。  完全に気配を消してわたしの背後をとったし、レベル最強から限界突破してるに違いないから無駄な抵抗は止めよう。
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