第47話 宮子とポテト

1/2
前へ
/472ページ
次へ

第47話 宮子とポテト

「はあ、世話が焼けるね~。まどろみさんも亮も、恋愛は小学生レベルだね~」  亮が帰ったあと、あたしと宮子は川沿いの歩道を歩いた。宮子はテイクアウトのポテトをぷらぷらとぶら下げていた。ほんとにポテト好きだなあ。 「仕方ないよ。まどろみさんは人との関わりが極端に少なかったみたいだし、亮は人を好きになるの初めてみたいだし」 「まあそうなんだけどね~、はっきりしろって言いたいわ~。相手がバスケだったって言うだけで恋愛経験あるんだから、今の自分の気持ちくらい気付けよ~」  いやいや宮子、バスケを擬人化して恋人って言ってるだけで、それは恋愛じゃないでしょ。 「でも見た感じや雰囲気でそう思ってるだけで、あたしたち、まどろみさんの気持ち確認してないよね」 「そうだよね~…うん、そんな時は…恋バナ!まどろみさんがこの手の話をしやすいように恋バナしようよ!」 「え?恋バナ?あたしは恋したこと無いよ。宮子も小中とそんなこと無かったでしょ?」 「付き合ったことは無いけど恋はしてたよ~。今もしてるし」 「え?そうなの?誰?誰?」 「それは恋バナで言うね~」  宮子とはずっと同じ学校で仲も良いけど全然知らなかった。あたしはほんとに恋をしたこと無いなあ。 「お嬢も女子校だったから恋愛経験無いんじゃないかな」 「わかんないよ~、先生と禁断の恋、なんてコミックでよくある話だしね~。実はちょっと興味津々。恋バナにはお嬢を絶対呼ぼうね」 「うん、宮子とあたしとお嬢とまどろみさんだね…香風(このか)は?同好会に入ったし、まどろみさんのこと心配してたから声掛けたほうが良いかな?」 「恋愛禁止の地下アイドルだから、呼んだら可哀想だよ~。人の恋バナなんて聞いたらますますやさぐれるよ~」  それもそうか。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加