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「美咲さ~ん」
放課後、部室に行く前に宮子たちと喋っていたらお嬢がパタパタとやって来た。
「部室に覗き魔が居ます」
きっと香風だ。あたしはお嬢と部室に向かった。
あれ?扉の隙間から中を覗く人影が2つ。もう1人は誰なの?
小柄なツインテールと…あ、真知子先生だ。あたしはそっと近づいて小声で聞いた。
「先生、どうしたんですか?」
びっくりしたのは香風だった。
「げ、いつの間に?!またしても背後を取られていた。有り得ない。気配を消して背後に立つのやめてくださいっ」
「しーっ」
香風の声は大きかったので、中に居るまどろみさん達に気付かれた。
真知子先生は香風の首根っこを掴むと無理矢理立たせて扉を開けた。
「入るぞー」
首を摘ままれた香風と共に、あたしたちはぞろぞろと中に入った。
「適当なとこに座れー。新しい部員の紹介だ、ほれ自己紹介」
「3組の桜谷香風です。よろしく」
「桜谷はダンスのレッスンが忙しいから、あまり顔を出せないそうだ。今後の活動方針を決めるにあたっては、そのことを踏まえておいてくれ」
あとでまた来ると言い残し、先生は職員室に戻って行った。
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