第50話 香風のダンス

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「まあやっぱりダンスだな。乗りのいい曲をやれば踊りやすいだろ」 「ちょ、無理よ。演奏が2人でメインボーカルが1人、バックでわたしが1人で踊ってたらバカみたいじゃないのっ」 「でも今のダンス上手かったから、きっとイケるよ!」 「ダメなのよ、目立つじゃない。同好会の活動って学園祭とかで発表するんでしょ。外部から見に来る人も居るしダメっ」  ああ、そうか。  アニカは衣装は着てるけど顔は香風のままだから、ひょっとしたら気付く人が居るかも知れない。  あたしは助け船を出すことにした。 「じゃあ歌は?まどろみさんがメインで香風がサブボーカルとか」 「ダメっ」 「サブが嫌なら2人ともメインのツインボーカルとか」 「ダメっ」 「じゃあメイン?」 「目立つでしょっ、それにわたし…音痴なのっ」  顔を真っ赤にして半泣きの香風。なんか可愛い。 「ライブでは、わたし口パクなのよっ」  あ、自爆した。
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