33人が本棚に入れています
本棚に追加
「す、すまない。寝てしまった…もうこんな時間か、か、帰らなきゃ」
慌てて立ち上がるみこだが、お約束のようによろけてしまい、亮の胸に顔をうずめてしまった。
みこをしっかり抱き止める亮。そのまま静かに時間が流れる。
ええい、もどかしい。そこは、軽くキスをするとこだろう。
コーヒーを飲みに戻ってきた真知子は扉の隙間から2人の様子を覗いていた。
暫し後、2人は夕暮れの教室で椅子を並べ肩を寄せ合った。再び静かに時間が流れる。
もう何も起きそうに無いな。やれやれ。音楽に関しては、このひと月で彼らは少し成長したが、恋愛に関してはまだまだ小学生レベルだな。
このまま中に入るわけにもいかないし…。
真知子は廊下を少し戻りスリッパをわざとペタタンペタタンと鳴らしながら咳払いをして部室に近づいた。
「入るぞー」
2人は慌てることなくそのままの状態で肩を寄せあっていた。
最初のコメントを投稿しよう!