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第60話 歌練
「じゃあ私は譜面の印刷を先生に頼んでくるよ」
「あ、俺も行くよ」
亮とまどろみさんは職員室に向かう。
あたしと宮子、香風は扉の隙間から顔を出して様子を伺う。が、手を繋ぐ事もなく行ってしまった。
「ちっ、手くらい繋げっての」
「まだ微妙な感じだね~、それよりも美咲!ハミング良かったよ~。嬉しかった。歌えるようになったら良いな…」
涙ぐむ宮子、ハミングとは言え、美咲が歌ったのは小学生のとき以来。
「私が指導する以上、美咲さんも香風さんも歌えるようにしてみせます。任せてください」
「お嬢…あたしが歌えないって知ってたの?」
「あ、ええとですね…」
「ごめ~ん、私が相談したんだ。美咲に歌を取り戻してって」
「そうなんだ、うん…ありがとう。頑張るよ」
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