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第62話① 恋バナ 安井宮子
連休初日。
お嬢は昨日印刷してもらった譜面でピアノの練習を、美咲と香風はお嬢に教えてもらった方法で発声練習を、みこは亮のギターに合わせて歌の練習を始めた。
元々は体で始めた同好会なのに、そんなことはすっかり忘れ去られみんな真面目に活動している。
「おはよ~」
お昼前に宮子がやって来た。午後から漫研の部活動が有るので美咲たちとお弁当を食べる約束をしていたのだ。
「あれ?亮は?」
「家の用事とかで先に帰った」
「そうなんだ、まどろみさん寂しい?」
「い、いや…」
顔を赤くして俯くみこ。
「あんたたちって付き合っ、うぐっ」
宮子は直球な聞き方をしようとした香風の口を押さえた。
「ねえねえ、お弁当食べながら恋バナしようよ。女子が5人も集まれば、そんな展開になるよね~、ね?」
なんでそうなるの?あたしに恋バナなんて無いんだけど…でもみんなの恋バナは聞いてみたいな。
あれ?香風の前で恋バナは酷だとか言ってなかったっけ?
「じゃあ先ずは、言い出しっぺの宮子の恋バナ聞かせてよ」
「あ~、やっぱりそうなるか~」
アスパラのベーコン巻きを食べながら、うむうむと頷く宮子。
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