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「あたしは性格が男っぽいし、小学校低学年の時は学年で一番背が高くて運動もできたから、周りの男子からは一目置かれてたんだ」
「ドッジボールとか、俺たちのチームに入ってくれってよく言われてたよね~。美咲の居るチームは向かうところ敵無しだったよね」
「うん、そんなわけで男子に慕われてたの。はべらかしてたわけじゃ無いからね」
「その中に良い人は居なかったんですか?」
「うーん、みんなで遊ぶのが楽しかったから特定の誰かってのは無かったなあ」
「男子に慕われてたってことは、女子からは嫌われてたんじゃないの?」
香風が意地悪な質問をしてくる。
「残念でした、女子からも慕われてました」
「美咲はね、女子をいじめる男子が居たら、腕を捻って首根っこを掴んで組み伏せてたから女子からも人気あったのよ~」
「そうなんだ、わたしが階段の踊り場に連行された時のあの感じね。昔から暴力女だったんだ」
「うるさいよ香風。でもね、高学年くらいになってくると段々と男子に身長を抜かされて、運動能力も負けてきて、一緒に遊ぶことも無くなったの。そんな時に音痴とからかわれて、男子って面倒くさいって思うようになって、中学ではますます男子とは関わらなくなったわ…こういう訳だから、あたしに恋バナは無いの」
「美咲さん…恋って良いですよ。今からでも遅くないです、恋愛デビューしましょう。残念な青春を送ったらダメです」
残念って…まさかお嬢に言われるとは思わなかった。
「どっちが先に彼氏を作るか競争です!野球部を一緒に見に行きましょう!」
え?まさかあたしも野球部限定?
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