第62話⑤ 恋バナ 微睡みこ

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 香風が口を挟む。 「でも知ってる?亮って背も高いしイケメンだし中学の時から人気あるのよ。わたし告っちゃおうかなー」 「香風っ、お前」  珍しくまどろみさんが語気を荒げた。美人って怒った顔も美人だ。 「冗談よ、わたしは恋愛禁止って言ったでしょ」 「確かに亮くんって格好いいよね。私が告っちゃおうかな~」 「宮子…まさか亮のこと…」  今度は悲しそうな顔になった。 「冗談よ、私は3次元は無理無理」 「イケメン男子とお付き合い。良いですね。じゃあ私が告白しましょうか?」 「お嬢まで…そんな…」  お嬢まで話に乗っかってきた。まどろみさんは…()みを浮かべてる。 「冗談ですよ。私は野球部男子です」  4人が揃ってあたしのほうを見た。  え?なに?あたしも話に乗っかって言わなきゃいけないの?まどろみさんも期待の眼差しだ。 「あ、あたしも告白しようっかなあ」 「美咲さん!酷いです。まどろみさんの想い人に告白するなんてっ」  いやいやお嬢、なんでそうなるの? 「じょ、冗談よ。あたしは…」 『あたしは?』 「あたしは…ええっと…」  そうださっきの恋バナの流れでいこう。 「お嬢と野球部を見に行くわっ」 『お~っ』  みんな拍手してくれた。なんなのこの流れ。
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