第64話 小さな東屋

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第64話 小さな東屋

「じゃあ、わたしはダンスの練習が有るから急いで帰らなきゃ」 「私はピアノのレッスンです。恋バナが楽しかったから、時間がギリギリです」  慌てて荷物を片付け始める香風(このか)とお嬢。 「お嬢、わたし事務所の車が迎えに来てくれてるから、途中まで乗ってく?」 「本当ですか!あ…でも知らない人の車に乗ってはいけませんと親から言われているのでやめておきます」 「知らない人ってなによ?わたしも一緒に乗るから大丈夫よ。運転してくれるのは女性マネージャーだし」 「え?!マネージャー…ますますダメです。(あふ)れ出る私の才能に気付いてスカウトされたら困ります」 「私と帰るのがそんなに嫌なの?!」 「冗談です。乗せてください!助かります、ではお先に失礼しまーす」  バタバタと2人は帰っていった。
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