第64話 小さな東屋

2/3
前へ
/472ページ
次へ
 まどろみさんがボーッと立っている。馴れない恋バナで疲れたのかな。今日は亮が居ないし帰りが心配だ。鍵を返して一緒に帰ろう。 「美咲…」 「あたし今日はバスで帰るよ。一緒に帰ろう!まどろみさん」 「私は千歳に会った事が有るかも知れない」 「えっ?」  しまった。さっき香風が千歳って口走ったのが聞こえてたんだ。 「確かめたい場所がある。美咲、一緒にそこまで行ってくれないか…その、ひとりだと怖いから…」  だんだんと声が小さくなり、(うつむ)くまどろみさん。 「うん、分かった」
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加