第66話 雨のち虹

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第66話 雨のち虹

 昔、同じ場所で同じような天気の日にあたしとまどろみさんは千歳に会っていた。これって単なる偶然…?  ぞわわっと背筋が寒くなった。  あたしとまどろみさんと2人だけの出来事だったら、まだ偶然って言えるけど…例えばもし、お嬢もここで雨の日に千歳に出会っていたら、それでも偶然って言えるのかな…。  まどろみさんの同好会に集まった女子がそれぞれ、ある雨の日に千歳と出会っていた。なんて、考えただけで怖い。  強い風が吹いた。東屋(あずまや)の下を雨粒が通り過ぎた。
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