33人が本棚に入れています
本棚に追加
「女学館出身の私には刺激が強いです」
お嬢が赤面しながら言った。うん、確かに刺激が強い…まどろみさんは、亮の膝の上に座っている。この密着度でも、まだ付き合ってないとか言うかなあ…。
「あんたたち、少しは人目を憚りなさいよっ。もうバカップルの領域よ」
香風が呆れたように言う。
「バカップル?付き合ってないからカップルではないよ。な、亮」
「そうだな、バカップルからカップルを引くとバカだな、でも問題ないよな、みこ」
「みこって言うな」
まどろみさんは膝に座ったまま亮のほうを振り返り言う。そのままキスしちゃえば良いのにと思う距離だ。いったいいつになったら告白するんだろう。
「でもまあ流石にこの体勢だとギターを弾けないから、横に座ってくれるかな」
「うん、わかった…」
不安な表情を見せるまどろみさん。千歳のことが気になって仕方がないんだろう。
2人の距離が縮まったことは良かったと思う。
それ以外は変わりなく、いつもの同好会。それも良かったと思う。
あたしと香風はお嬢のピアノで発声練習をして、まどろみさんは亮のギターで歌の練習をした。
いつもの同好会、だけど…。
最初のコメントを投稿しよう!