第68話 北高祭の活動申請

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 両手を広げて3人を抱き留める先生。わーっと泣くまどろみさん達…それを見ながら拍手を始める亮…なんなのこの茶番劇。打ち合わせでもしてたの?  急に泣き止むと3人がこっちを振り返る。先生もあたしをジッと見ている。え、あたしも参加するの?断れる雰囲気でも無いか。  やれやれ…あたしは、わーっと泣き真似をしながら先生の胸に飛び込もうと走って行った。 「待て美咲、違うよ。この状況を写真に撮らないでどうするんだ?ほら、早く」 「けっこう恥ずかしいんだから、早く撮りなさいよ」  まどろみさんと香風に()かされた。あたしも超恥ずかしいよ。でも確かに絶好のシャッターチャンスだ。 「撮るわよ。ラブ・アンド…」 『ピース』  写真を撮ると、まどろみさんと香風はヤレヤレという顔をしてすぐに先生から離れた。  でも、お嬢は先生の胸に顔を(うず)めてしがみついたままだった。マズいわ、中学の時の恋愛を思い出したの?ダメよっ、お嬢。 「どうしたお嬢?私の胸が気持ちいいか?」  事情を知らない先生は、優しい目をしてお嬢の頭を撫でた。 「いいえ、固いです」  けっ、という表情をしてお嬢は先生から離れた。
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