第69話 再び小さな公園へ

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第69話 再び小さな公園へ

「逃げる経路を確保って、なんだかドキドキしますね」  お嬢が嬉しそうに言った。きっと女学館(じょがっこ)では、こんな事はしたくても出来なかっただろう。 「確かに悪いことしてる感が出るよね」 「でも笑いごとではなくて、真面目に考えないとな」  まどろみさんは部長らしく真面目なトーンで言った。  検討の結果、校舎の外、上階、同じフロアと、逃げる経路の多い下駄箱付近が良いだろうと言うことになった。人の出入りも多い場所だし注目を浴びやすいだろう。  土曜日は大人しく部室で公開練習、一般公開日の日曜日にゲリラライブをする事も決まった。  公開練習は告知はせずにひっそりとやる。そんなに人が来ないだろうから、冷蔵庫は片隅に隠しておけば大丈夫だろう。  ライブの見張り役は亮が友達の…誰だっけ?坊主頭になって野球部に入った男子と、中学のときの男バス仲間数人に頼んでくれることになった。  色々と決まっていくに連れ、あたしはだんだんと不安になってきた。ホントにこんなことして大丈夫なのかなあ。  千歳のことも有るし、不安感がつきまとう。
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