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第71話 呪縛
「つまり私は昔、千歳さんのみならず、おそらくは香風さんにも会っていたと言うことですね」
「うん、ツインテール女子はきっと香風だね。やっぱりお嬢もこの場所で会ってたんだ…」
東屋の屋根に打ち付ける雨は更に激しくなり、雨樋の無い軒先からは滝のように雨が流れ落ちる。
雨音で互いの声も聞こえづらい。
だけどあたしはそれが気にならない。雨に濡れて肌に纏わりつく服も、冷えた身体の寒さも気にならない。恐怖で五感が鈍ってるみたいだ。
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