第72話 香風とみこ

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第72話 香風とみこ

香風(このか)、聞きたいことがある」  昼休みに教室にやって来たみこに突然呼び出された香風。2人は校舎裏に行った。 「最近私を()け者にして、みな千歳の話をしてる。私に聞かれたくないことか?千歳(ちとせ)と亮はどういう関係なんだ?香風が一番よく知っているんだろう?」  みこは自分を取り巻く雰囲気の変化を敏感に感じ取っていた。その元になっているのが千歳だと言うことも。 「私は中学のとき、亮と千歳に会ったことがある。相合い傘の2人に」 「そうなんだ…あの2人が相合い傘してたのね…」 「傘を持っていなかった私に千歳は傘を貸してくれた。そうすることで相合い傘が出来るんだと言っていた。2人は付き合っていたのか?」 「もし付き合っていたら、そんな事せずに相合い傘してたと思わない?」 「うん…確かに微妙な距離感だった」  香風はみこに中学の時の2人の事を話すことにした。  黙って聞くみこ、千歳が亮に振られたと聞いて安堵したが、その後の千歳のことを聞くと素直には喜べなくなった。
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